らくてん会

らくてん会は西成寄席のお世話とアマチュア落語・演芸のサークルです。

◇口上(第87回「西成寄席」)

◇口上(第87回「西成寄席」)

お運びありがとうございます。
 今月初めに仕事がらみの研修会で名古屋にまいりました。あてがわれた切符は近鉄電車のもので、大阪難波九:三〇発、名古屋一一:四九着。新幹線なら五〇分の行程が二時間二〇分。わたし、断然こちらの方が好きでして、経費節減策が労働者のメンタルヘルス対策を兼ねるという素晴らしいアイデアに感心するとともに、「こいつが一時間早く着いたところで絶対仕事はせんやろう」という当局の慧眼(けいがん)に少し恐ろしいような気がいたしました。
 特急が「白子」駅を出たあたりで、大阪難波駅内の「駅ナカ」で買った弁当を取 り出しました。幸か不幸か車内販売の無い特急でして、持っていたペットボトルのお茶で、春のように少し煙る濃尾平野の広がりを眺めながら、野菜たっぷりのお弁当をいただきました。
 近鉄名古屋駅から名古屋城近くの研修会場に参ります。乗ったタクシーの運転手さんがよくしゃべります。標準語です。
「ようしゃべりますなあ」というと、
「お客さんが大阪からお出でと伺ったもので…」と、わかったような、わからんような返事が返ってきました。

 研修会には全国から千人余りが参加して、主催者のスタンスも「ウエルカムto  名古屋」のようで、会場近くには物産展、講演の講師は「日本舞踊西川流・四世家元西川千雅(かずまさ)」さん。
 この家元さんの講演がじつによかった。本職の踊りも披露され、サービス精神満点です。プロフィールを見ると四八歳とありますが、もしこの人がホストになったら№1になること請け合います。いらぬお世話ですけど。
 一泊二日居た名古屋の印象は、「相手の琴線に直接触れて喜ばそうとする」、「鼻から手ぇ突っ込んで奥歯ガタガタ(藤田まこと作)」といった感じでした。
 わかったような、わからんような感想ですみません。        ( 山 )

 

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