らくてん会

らくてん会は西成寄席のお世話とアマチュア落語・演芸のサークルです。

◎口上(第74回)

◎口上(第74回)

お運びありがとうございます。

この一年ほど、ギターを習いに行っておりまして、月に2回、1回当たり1時間の個人レッスンです。

先生は四十歳代で、おもにジャズのギタリストとしてライブハウスなどに出演しておられます。私の世代(あと一年くらいで還暦)ですと、バンドマンの印象といえば、①少し不良、②極端に寡黙か、もしくはチャラチャラしている、③ファッションが個性的、④女性にもてる・・・といったあたりですが、先生はいずれの項目にも該当しません(④は詳細不明ですが、少なくとも「ちょっとグレてる雰囲気が女性のハートをくすぐる」といった要素は皆無)。至ってまじめで普通な人です。

生徒に対しても、とくに若い人には厳しく教えておられて、そんな姿勢が信頼されているのでしょう、たくさんの生徒がかよっています。

先生の専門はジャズですが、生徒のリクエストに応じてどんな曲でも教えてもらえます。ある五十代半ばとおぼしき男性はハードロックひと筋ですし、六十代の男性は「ゴッドファーザー」のテーマ、スピッツしかやらない三十代の女性、ユーミンの「卒業写真」をハモろうとする夫婦など、その点はまったく自由です。

年に一度、発表会というのがありまして、わたくしも出させてもらったのですが、老若男女合計で三十組くらいのバンドが出演します。生徒は基本ひとりでギターもしくはギターとボーカル(弾き語りというやつです)でバンドに参加します。

バンドのほかのメンバー(ベース、ドラム、キーボード、曲によってはボーカル、プラス先生のギター)は全員がプロですので、ちょっと聞くと「かなりうまいバンド」という感じです。ところが、やはりそこは発表会ですので、どうしても「生徒のソロパート」というものが設定されます。かくして、次々と「間奏がいい感じ」なバンドが登場することになるのです。        (山)

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