お運びありがとうございます。
最近「十倍返し!」という言葉がたいへんに流行っております。ご存じ、人気テレビドラマ「半沢直樹」の主役、銀行員半沢直樹のキメ台詞です。
一介の銀行員である半沢が大銀行に蔓延(はびこ)る「巨悪」に対し、敢然と立ち向かいこれを退治するという、弱きを助け強きをくじく、いわゆる「勧善懲悪」物語です。
これが大うけなんですね。いまや視聴率は30%を超えているそうです。今年の七月七日に始まったばかりで、我が家の女房と二十一の娘が初回から見ております。私にも勧めるものですからここ三回ばかり見ておるんですが、これがじつに面白い。とにかくスカッといたします。
このドラマの特徴は、とにかくわかりやすいことです。まず、悪そうな顔をした登場人物は必ず悪者なんですね。じつにわかりやすい!。しかも、毎回めでたし(大小濃淡あり)で終わる。この安心感。このごろは映画でもドラマでも、下手をすれば漫画でもこんなことはありません。「そのまんま」「ベタ」などと評して人間の素直な感性を軽視し、「意外性」「シュール」「どんでん返し」を評価するといった傾向が強いと思います。
そういう意味では、ストーリーや設定の意外性や非日常性に頼らず、「ベタの底力」を再評価したということでも、近年出色のドラマではないでしょうか。
主役:半沢直樹を演じる堺雅人が悪者を追い詰めるときの長ゼリフ。ギラギラした眼光と抑制がきいたセリフのギャップがステキです。
また、脇役が多彩です。なかでも、片岡愛之助が演じる金融庁検査局主任検査官黒崎駿一。強引な検査手法を駆使する剛腕検査官ですが、これがオネエ言葉なんですね。 香川照之が悪党の銀行幹部なんですが、はまってます。
かく申し上げましたように、お勧めドラマです。ただ、どういうものか、この「十倍返し!」というセリフを聞くと、反射的にわたくしの頭の中に「過剰防衛」とか「法定外利息」という単語が浮かぶのです。
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