お運びありがとうございます。
「飲む打つ買う」などというんですが、「打つ」つまり賭け事というものは、他の二つにいやまして魅力的なものなのだそうです。「親子茶屋」という落語のサゲで親旦那が芸者遊びにうつつを抜かす若旦那に対し「必ずバクチはならんぞ!」というくらいですから、賭け事こそ「キング オブ 煩悩」と言えるかもしれません。
さて、このギャンブルというものを理論的に分析した「ツキの法則」という本(PHP新書)がありまして谷岡一郎という学者さんが書いたものです。初版が十五年以上前ですので引用されているデータなどは現在のものとは少し違うところもあるのですが、人間の「気持ち」というものの不思議さがたくさん描かれていて興味が尽きません。
たとえばギャンブルで「勝ち負け0の状態から五万円負けること」と「三〇万円負けた状態が三五万円負けになる」とでは客観的価値は同じ五万円でも、主観的価値では後者の方が「負けた感」が薄い。つまり、人がギャンブルの泥沼にハマっていく過程の心理がわかりやすく 示されています。
また、こういう例も登場します。競馬場で「コーヒーの三〇〇円は高すぎる」と文句をつけながら馬券を一0万も二0万も買う人は、コーヒーという項目における価値基準と馬券を買うための価値基準が同じでない。その人にとって「ギャンブルに使うお金は、ある面では普通のお金ではない」という感覚が生じているというわけです。ギャンブルで勝ったお金は本人が懸命に働いたお金とは異なるため、結果として「ギャンブルで勝ったお金は身に付かない」ということになる。
著者は「公営ギャンブルでは約二五%、宝くじでは五〇%以上を主催者がテラ銭として天引きしており、長く賭ければテラ銭の率だけ収支はマイナスになる」ということを統計学を用いて完全に解明しています。その本人が、現在も性懲りもなくギャンブルを続けているというところが、まあギャンブルが「キング オブ 煩悩」である所以(ゆえん)でしょう。
・と き 平成26年4月26日(土) 午後2時開演
・ところ 大阪くらしの今昔館(大阪市立住まいのミュージアム)
・番 組 一山亭南坊「嫉妬の報酬」/ らくてん亭水車「くしゃみ講釈」/ 隣乃玄張「寄合酒」/ 立の家猿之助「質屋蔵」 (鳴り物:四笑亭〇丸ほか)
<準レギュラーの玄張さんや、また今回初めて猿之助さんの出演を得て、黄金週間初日の会場は大いに沸きあがりました。とりわけ第2回社会人落語日本一決定戦・決勝3位の猿之助さんについては、「質屋蔵てこんな爆笑ねたやった?」と思うほどの反応で、絶賛の言葉を連発してお帰りになるお客様も。有難いこと。>
Feb.9th 14:30
at Sanno fukushi kaikann map on the above part
Admission 500 yen
<Program>
1.This is Rakugo by Showto (笑人)
Introduction of Rakugo and how it’s performed
2. Hatsutenjin by Arara (あらら亭あらら)
3. Mr.Dog by Sunshow (喜輝亭三笑)
4. Workshop by Showto (笑人)
Let’s perform short Rakugo story with Rakugo instructor
5. 4 Habits by Kanta (起時亭かんた)
6. Gonsuke’s fish by Kitty (西ノ家喜亭)
お運びありがとうございます。
少し前ですが、今年の8月、暑い盛りに、わたくしが仕事帰りの電車に乗っていたときのことです。
ご存知でしょうか、「ニュートラム」という、高架の上を走って「住之江公園」と「コスモスクエア」を結ぶ市営の電車がございます。この電車、自動運転で運転士も車掌さんも乗っておりません。
小さめの車両で3両編成ですが、通勤時間帯は本数も多く、夕刻のこの時間帯の 「コスモスクエア」行きはたいてい空いています。その日も、ゆっくりと座席に座ることができました。
高架の高さがかなり高いので、走行中の景色もなかなか結構でして、当日もちょうど日没直前の大きな太陽が南港の海にかかる、そんな絵のような夕景が車窓に切り取られているのを、おそらくほとんどの乗客が眺めるともなく眺めていたと思います。車内は冷房がほど良くきいています。
わたくの向かいに座っていた60歳代と思われる男性。こちらも仕事帰りの様子ですが、ひざに上に置いたショルダーバッグのファスナーを開けゴソゴソしていると思ったら、やおら缶ビールを一本取り出し、プシュっとあけてグビグビと飲み始めました。
マナーとしてはいささか…ということはありましたが、ガラ空きの車内、夕焼け、一日の仕事を終えたこと、ご本人にはそれ以外のこともあったかも知れませんが、家まで待てずに一杯のむにふさわしい理由はあったように思います。また、そう思わせるようなある種の生真面目さが漂うひとでした。
うまそうに飲みますなあとチラチラ見ていたら、今度は同じバッグから真っ赤なトマトをひとつ取りだし、大きくかぶって、すかさずまたビールを飲みます。
これは、たまらん。家まで5分の最寄り駅に着いたわたしは駅前のスーパーでビールとトマトを買いました。歩きながらとも思いましたが、やはり一番おいしいタイミングは過ぎていたようで、結局家まで持ち帰りました。やっぱり、真面目で正直な人の上にシアワセは降りてくるようです。 (山)
第72回
Dec.8th 14:30
at Sanno fukushi kaikann map on the above part
Admission 500 yen
<Program>