らくてん会

らくてん会は西成寄席のお世話とアマチュア落語・演芸のサークルです。

西成寄席

◇第78回「西成寄席」                 (平成27年8月28日)

第78回「西成寄席

  •  と き   平成27年8月28日(金) 午後6時15分開演 (30分前開場)
  • ところ   西成区民センター 2階  (大阪市西成区岸里1-1-50)           
  • 入場料  1,300円 (65歳以上・身体障がい者手帳等をお持ちの方は800円)
  • 番 組 「子ほめ」   桂 慶治朗 「手水廻し」  笑福亭 呂竹 「天狗裁き」  桂 春若 仲入り 「住吉駕籠」  笑福亭 遊喬 「猫の忠信」  桂 花團治 (桂 蝶六 改め )
  • <「落語は情景描写。ギャグで笑わすのは漫才。」と後の打ち上げで春若師匠。当夜の「天狗裁き」「住吉駕籠」「猫の忠信」では、まさにこの言葉がふさわしい3師匠それぞれの上方落語の世界を楽しませていただきました。3代目花団治師匠のお名前どおり花のある噺しにもしびれました。古典らしい古典が並んだ…と思っていたら、「天狗裁き」は上方では滅んでいたのを故・米朝師匠が復活された、中身はほとんど桂米朝作と言ってよいものと春若師匠。今回は勉強になりました。>
    OLYMPUS DIGITAL CAMERA 

◇口上(第77回「西成寄席」)

  お運びありがとうございます。

   先日、電車に乗っていたときのことですが、途中の駅から六〇代半ばと推察される女性二人が乗ってきて、わたしの隣に座りはりました。仲の良いお友達らしく、大きな声で話をしておられます。

  最初は誰か共通のお知り合いの話で盛り上がっておられましたが、やがて一方の女性が、

「ちょっと、あんた知ってる?吉永小百合て七〇歳らしいで・・・」

「エエーッ、ほんまかいな。負けてられへんわあ!」

「せやろう!」

 不意を突かれたわたしは言葉もなく、ただ電車の床の模様を眺めておりました。

 ・・・負けられへんということは、つまり勝つか引き分けるということですか・・・。

  そもそも現時点で「勝ち負けを論じる」ということは、例えば四〇歳や五〇歳のときに「ある程度同じようなレベルにあった」ということが前提ではないでしょうか。

 しかるに、わたしなりに冷静に判断して、出産直後はともかくとして、お二人が小百合さんのライバルであったことは無かったかと思われます。

 もとより、そのこと自体は決して非難されるようなことではありません。なにせ相手は吉永小百合さんなんですから、大抵の人はボロ負けなんです。

 むしろわたしの驚きは、「そんなもん100メートル離れて見たら一緒やんかぁ」みたいな、神をも恐れぬ楽観主義にあります。

 お二人は、その後も次々と話題を変えておしゃべりを続けておられます。稀代の美人女優に対抗するという難題はすでに忘れ去られ、痕跡すらありません。

 彼女たちの真骨頂は、まさにこの辺りにあるのでしょう。

 寿命は負けないと思います。

                               ( 山 )

◇第77回「西成寄席」                  (平成27年5月29日)

  •  と き   平成27年5月29日(金) 午後6時15分開演 (30分前開場)
  • ところ   西成区民センター 2階  (大阪市西成区岸里1-1-50)                          地下鉄・四つ橋線「岸里」駅東へ徒歩1分、                       地下鉄・南海電車 「天下茶屋」駅南へ徒歩5分
  • 入場料  1,300円 (65歳以上・身体障がい者手帳等をお持ちの方は800円)
  • 番 組
    「犬の目」   露の 瑞
    「天狗さし」  笑福亭 喬介
    「鹿政談」   桂 春若
    仲入り
    「口合小町」  桂 わかば
    「夢八」     笑福亭 学光                                                     
    <とても5月とは思えない真夏日の夕刻、熱心なお客様が集まりました。近年なかなか珍しい演目が並びました。「天狗さし」も「口合小町」も故桂米朝師匠のCDでしか聴いたことがないネタ。聴き込んでいるうちに、何故かわかば師の色黒のお顔がどことなく*名付け親・米朝師匠のお顔に似てきて驚きました(*ざこば師匠から「ざこね」と名づけられる寸前だったとか)。「夢八」は、かつて松鶴師匠や五郎兵衛師匠で聴いたような気がしますが、学光師匠のも、くどくなくあっさりでもなく、一度で絶対に忘れられなくなったと思います。長年にわたり献身的に阿波踊りの連のお世話をされている由、後の打ち上げで伺いなるほど学光師匠と。>OLYMPUS DIGITAL CAMERA

◇口上(第76回)

お運びありがとうございます。

わたしの家にテレビが来たのは昭和三十九年の東京オリンピックのときでした。それから数年たってテレビがカラーになったころに、電話がついたのではなかったかと記憶しています。

我が家にテレビがやって来てから五〇年。テレビ好きのわたくしは時間が許せばずっとテレビを見ておりますが、中でも「探偵ナイトスクープ」という6チャンネルの人気長寿番組が大好きです。一般市民が悩み(深刻なものからアホらしいものまで)の相談を番組に寄せ、探偵役の芸能人が解決に取り組むという内容です。

この前も、「ひきこもり歴30年」という52歳の男性から番組に「現在の生活から脱して社会に出て行きたい。ついては探偵に手伝ってほしい」という依頼が寄せられました。さっそく探偵(カンニング竹山)が依頼者の自宅を訪ねて、長年のひきこもり生活に終止符を打とうという気持ちになったきっかけをたずねると「同い年の山中教授がIPS細胞の研究でノーベル賞を受賞したから」とのこと。たぶん全国の視聴者がわたくしと一緒に「どこと比べてまんねん?!」と突っ込んだことだと思います。

さて、人間関係が苦手な依頼者ですが、「自宅で犬を一匹飼っており、良好な関係」とのことで、それではと探偵が見つけてきたのが「ひきこもりの犬を散歩に連れ出す」という仕事。嫌がる小型犬(犬種は小型犬だが運動不足等のため著しい肥満で大きく見える)を根気よく説得して(おそらく依頼者が周囲から言われ続けた内容だと推察される)、とうとう連れ出しに成功するという感動のハッピーエンドとなりました。依頼者男性のピュアな心が中型風小型犬に通じたのだと思います。

ここで思い出したのが、知り合いの男性のことです。彼は趣味でトライアスロンをやってるんですが、先日彼の飼い犬が血尿を出したというのです。ご想像のとおり自身のトレーニングをかねて飼い犬を散歩に連れ出していたそうです。

虐待ですがな。

(山)

◇第76回「西成寄席」                  (平成27年2月27日)

第76回「西成寄席

  •  と き   平成27年2月27日(金) 午後6時15分開演 (30分前開場)
  • ところ   西成区民センター 2階  (大阪市西成区岸里1-1-50)           
  • 入場料  1,300円 (65歳以上・身体障がい者手帳等をお持ちの方は800円)
  • 番 組
    「道具屋」   桂 二葉
    「猫の皿」   林家 卯三郎
    「代 書」    桂 春若
    仲 入
    「青い瞳をした会長さん」  笑福亭 鶴二
    「胴乱の幸助」         桂 文喬                                                
    <「すぐに終わりますので」というのがトリを気遣う前4人共通のまくら。岸里駅前の様子が変わるほどお久しぶりの鶴二師匠が軽妙な現代噺で会場を沸かした後、満を持して登壇された当寄席初の文喬師匠、最初の一言が「私はたっぷり」。期待に違わない先代文枝師匠譲りの古典噺にお客様も満足のご様子。あっという間のきっかり2時間でした。>
    OLYMPUS DIGITAL CAMERA←画像をクリックすると拡大します

◇口上(第75回)

お運びありがとうございます。

冬がそこまで来ておりまして、何かとあわただしいところへ持ってきて、この暮れに総選挙をやるということになりました。どうしてもやるんやそうですな。

まあ確かにいろいろと不平や不足を言いたいことはありますが、七〇〇億円も使うてもらうほどの不満はないのです、個人的にはですね。

で、また公示というんですか、運動期間に入るとうるさいですな。わたくし、だいたいにおいて争いごとが嫌いなほうですので、ええ大人がマイク使って相手の候補者の悪口言うてるなんていうのはホントかなわんのです。

しかし、これがおなじ競争でも「フィギュアスケート」というのは観ていて実に楽しいですね。第一美しい。いや、おおむね美しい。男子はいけません。町田?勘弁していただきたい。

昔から印象的な選手が何人もいました。ジャネット・リン、カタリーナ・ビット。それからキム・ヨナ、浅田真央ですね、やはり。文字通り「華」がある名スケーター達です。

ただ若干理解に苦しむのは音楽です。あいかわらず「白鳥の湖」「007」など十年一日のごとくです。最近になって「歌」入りの曲が解禁になったと聞きました。ぜひ、何とかしていただきたいと思います。

さて、今年も残すところ一ヶ月余りとなりました。みなさまにとって、本年はどんな年でしたでしょうか?

「終わり良ければ全て良し」といいますから、何とか十二月を機嫌よく乗り切れば、少々のことは忘れて「まあまあ」ということになるのではないでしょうか。どうか、お風邪など召されませんように、健やかに師走をお過ごしください。

「女子フィギュア 村上 演歌 うなりそう」                                 ( 山 )

◇第75回「西成寄席」                  (平成26年11月28日)

第75回

  •  と き   平成26年11月28日(金) 午後6時15分開演 (30分前開場)

番 組
「浮世床」   林家染八
「がまの油」  笑福亭松五
「禍は下」   桂 春若
「つぼ算」     桂 歌之介
「幸助餅」   林家菊丸(染弥改め)
14.11.28西成寄席第75回
久々に林家門下に出演いただきました。よく見ればまだ可愛いい子ぼんさんのような染八さんと、時代劇が善玉悪役・武士町人どれも似合いそうな染弥改め菊丸師匠。歌之助師の軽妙なつぼ算のあとを受け、菊丸師匠は幸助餅という珍しい人情噺で三代目襲名の風格。お客様も大満足の態の一夜でした。>

 

◎口上(第74回)

お運びありがとうございます。

この一年ほど、ギターを習いに行っておりまして、月に2回、1回当たり1時間の個人レッスンです。

先生は四十歳代で、おもにジャズのギタリストとしてライブハウスなどに出演しておられます。私の世代(あと一年くらいで還暦)ですと、バンドマンの印象といえば、①少し不良、②極端に寡黙か、もしくはチャラチャラしている、③ファッションが個性的、④女性にもてる・・・といったあたりですが、先生はいずれの項目にも該当しません(④は詳細不明ですが、少なくとも「ちょっとグレてる雰囲気が女性のハートをくすぐる」といった要素は皆無)。至ってまじめで普通な人です。

生徒に対しても、とくに若い人には厳しく教えておられて、そんな姿勢が信頼されているのでしょう、たくさんの生徒がかよっています。

先生の専門はジャズですが、生徒のリクエストに応じてどんな曲でも教えてもらえます。ある五十代半ばとおぼしき男性はハードロックひと筋ですし、六十代の男性は「ゴッドファーザー」のテーマ、スピッツしかやらない三十代の女性、ユーミンの「卒業写真」をハモろうとする夫婦など、その点はまったく自由です。

年に一度、発表会というのがありまして、わたくしも出させてもらったのですが、老若男女合計で三十組くらいのバンドが出演します。生徒は基本ひとりでギターもしくはギターとボーカル(弾き語りというやつです)でバンドに参加します。

バンドのほかのメンバー(ベース、ドラム、キーボード、曲によってはボーカル、プラス先生のギター)は全員がプロですので、ちょっと聞くと「かなりうまいバンド」という感じです。ところが、やはりそこは発表会ですので、どうしても「生徒のソロパート」というものが設定されます。かくして、次々と「間奏がいい感じ」なバンドが登場することになるのです。        (山)

◇第74回「西成寄席」                  (平成26年8月29日)

第74回

と き   平成26年8月29日(木) 午後6時15分開演 (30分前開場)

 番 組

  • 「道具屋」    桂 紋四郎
    「義眼」       桂ちょうば
    「りんきの独楽」  桂 春若
    「ぐっどじょぶ」  桂 文三
    「仔猫」      桂 福団治

P8290968-2HP
<あいにくの雨にもかかわらず大勢のお客様にお越しいただきました。中入り後は、ぷっくりふっくらが戻り益々笑顔が素晴らしい文三師匠、演じます陽気な死に神が際立った小佐田定雄さんの新作と、お年を訊けば驚きます、いつまでも若々しい福団治師匠ならではのしっとりとしたお話に引き込まれます、猫をかぶったおなべどんが恐ろしくもいじらしい古典の秀逸、対照的な二席でお客様も満足げ。打ち上げも大いに盛り上がりました。>

 

◎口上(第73回)

お運びありがとうございます。

昨年十一月に初孫が生まれまして、わたくしもおじいちゃんになりました。

出産した長女は茨城県に住んで亭主と二人で農業をやっておりますもので、畑をみなければならないし、子どもの方もまだ首が据わらないなどなどで、なかなか顔を見る機会がなかったのですが、先日、ゴールデンウイークに亭主を茨城県に残して初めて生後六か月の孫を連れて帰ってきました。

稼業が農業ですので畑に行くときも(わたくしの)娘が娘(孫も女の子です)を連れていきますので、とにかく母娘は一日中いっしょで、さらにまだ母乳だけで育てているのだそうで、現在孫の人間関係は母親オンリーです。だれの抱っこも許しません。試みに抱き上げると、骨伝導と言うのでしょうか、こちらの頭の奥が「ワーン」と鳴るような声で泣き叫びます。

長女によると、実の父親であっても機嫌のよい時でないとすんなりとは抱っこさせないそうです。

たまに電車などでおんぶや抱っこをされた子どもに何かお愛想をすると笑顔を見せたりする子どもも居ますが、わたくしの孫は妥協という言葉を知らないようで(まあそれはそうか)だれの抱っこも許しません。

ただし、床においても泣くことはなく、母親の位置を確認しながらコロコロと寝返りをしたり、おもちゃで遊んだりしています。

こちらが手を出さなければ機嫌よくしているのです。

専守防衛・・・。

「泣かず、抱かせず、さわらせず」

二日間わたくしの家にいて、外交関係に特段の進展はありませんでした。

彼女らが茨城に帰った翌日、父親に抱かれて号泣する孫の写真が長女のフェイスブックに載っており、「近寄られて泣く娘と心で涙する父」とのコメントが添えられてありました。                          (山)