らくてん会

らくてん会は西成寄席のお世話とアマチュア落語・演芸のサークルです。

西成寄席

◇口上(第88回「西成寄席」)

お運びありがとうございます。

 会社勤めをしておりますと、定期不定期に「監査」というものが行われます。内容は会計でしたり労務管理のことでしたりその時々に様々ですが、担当する者は準備と対応に大変苦労をいたします。

 「定期監査」は文字どおりある程度決まった時期にやってまいりますので、一定 の準備ということができるんですが、不定期というのは言わば「辻斬り」のようなもので、ある日突然「一週間後にそちらに行くので、これこれの書類を準備しておくように」とお役所やら監査法人などから連絡が入ります。まさに、ボーっと歩いていたらいきなり後ろからバットで殴られたようなもんです。

 わたくしの勤め先にも、つい先日突然「監査を実施する」との通達がありまして、小さな会社中がてんやわんやです。

 「それやったら、お前はなんでこんなもんを書いてるねん」

というご指摘もあろうかと思います。

 しかし、人間ずっと緊張しては生きてゆけません。やはり適度な息抜きは必要なんで、寸暇を惜しんでこれを書き始めましたら、悪いことは重なるもので三日ほど前からムズムズしていた奥歯が本格的に痛み始めました。加齢とともにだんだんと歯茎がダメになって、こちらのほうも定期不定期に痛みます。

 わたくし恥ずかしながら「痛み」というものにからっきしで、全く「耐性」がございませんので、もしわたしがスパイで敵に捕まったりした時は拷問要らずで、ほんと手間がかからないと思います。

 歯医者はいやですが、行けば楽になることは経験上承知しています。

 しゃあない、これから歯医者に行って、そのあと監査資料を作ることにしますか。「歯痛」と「監査」のダブルテイクアウト…。うまいこと言うてしもた。

                                        ( 山 )

◇第88回「西成寄席」                   (平成30年2月23日)

  •  と き   平成30年2月23日(金) 午後6時30分開演 (45分前開場)
  • ところ   西成区民センター 2階会議室                
  • 入場料
    1,300円(65歳以上・身体障がい者手帳等をお持ちの方は800円)
  • 番 組
    「金明竹」    露の新幸

    「写真の仇討」 桂 二葉
    「始末の極意」 桂 春若
    中入り
    「権助提灯」  桂 春蝶
    「通天閣に灯がともる」
             林家そめすけ
    <当寄席は2・8不入りというのがないのが特徴。今回も元気なご高齢の皆様中心に大勢のお客様にお運び頂きました。
     番組は、春若師匠で中入り後、15年ぶりに出演とのこと、桂春蝶師の「権助提灯」。春蝶師の稀なる個性で窯変したおかしくも艶のある女の闘いに、とりわけ中年の女性の方々の笑い声や身を乗り出して聴かれる姿が印象的でした。トリは、地元西成区出身で大阪市内24区をテーマにした落語を創作された林家そめすけ師匠。今回は浪速区のお話しとはいえ地元としても身近な「通天閣に灯がともる」。二代目通天閣の建設に係る、笑いと人情味あふれるお話で、お客様皆さんほっこりと温まってお帰りいただいたのではと思います。
     後の打ち上げでは、いつもすでに全員が鬼籍に入られている上方落語四天王のお話が出ますが、今回は、落語界を牽引したという意味では、やはり六代目松鶴と米朝師匠が四輪車の前輪、しかも前輪駆動式であったというお話になりました。そめすけ師匠は地元中の地元・千本岸里地区のらくてん会会員が囲む形に。>


◇口上(第87回「西成寄席」)

お運びありがとうございます。
 今月初めに仕事がらみの研修会で名古屋にまいりました。あてがわれた切符は近鉄電車のもので、大阪難波九:三〇発、名古屋一一:四九着。新幹線なら五〇分の行程が二時間二〇分。わたし、断然こちらの方が好きでして、経費節減策が労働者のメンタルヘルス対策を兼ねるという素晴らしいアイデアに感心するとともに、「こいつが一時間早く着いたところで絶対仕事はせんやろう」という当局の慧眼(けいがん)に少し恐ろしいような気がいたしました。
 特急が「白子」駅を出たあたりで、大阪難波駅内の「駅ナカ」で買った弁当を取 り出しました。幸か不幸か車内販売の無い特急でして、持っていたペットボトルのお茶で、春のように少し煙る濃尾平野の広がりを眺めながら、野菜たっぷりのお弁当をいただきました。
 近鉄名古屋駅から名古屋城近くの研修会場に参ります。乗ったタクシーの運転手さんがよくしゃべります。標準語です。
「ようしゃべりますなあ」というと、
「お客さんが大阪からお出でと伺ったもので…」と、わかったような、わからんような返事が返ってきました。

 研修会には全国から千人余りが参加して、主催者のスタンスも「ウエルカムto  名古屋」のようで、会場近くには物産展、講演の講師は「日本舞踊西川流・四世家元西川千雅(かずまさ)」さん。
 この家元さんの講演がじつによかった。本職の踊りも披露され、サービス精神満点です。プロフィールを見ると四八歳とありますが、もしこの人がホストになったら№1になること請け合います。いらぬお世話ですけど。
 一泊二日居た名古屋の印象は、「相手の琴線に直接触れて喜ばそうとする」、「鼻から手ぇ突っ込んで奥歯ガタガタ(藤田まこと作)」といった感じでした。
 わかったような、わからんような感想ですみません。        ( 山 )

 

◇第87回「西成寄席」                   (平成29年11月24日)

  •  と き   平成29年11月24日(金) 午後6時30分開演 (30分前開場)
  • ところ   西成区民センター 2階会議室 (大阪市西成区岸里1-1-50)                  
  • 入場料           1,300円(65歳以上・身体障がい者手帳等をお持ちの方は800円)
  • 番 組
    「牛ほめ」   笑福亭縁

    「ふぐ鍋」   林家染吉
    「禍は下」   桂 春若
    中入り
    「ガマの油」  桂阿か枝        
    「へっつい幽霊」七代目・笑福亭松喬(三喬改メ)
    <かなりの冷え込みの中、今回は高齢のお客様が増えました。開場の1時間以上前に来られた方もいらっしゃって、会場前の廊下に、かつて鶴瓶師匠が出演された回に匹敵する長~い行列ができました。
     原因の一つは、地元在住の新人、縁さんの初出演でないでしょうか。まだ松枝師匠への入門修行の年季も明けきっていないとのこと。ちよっと緊張気味にスタートされましたが、後半は快調に前座を果たし、高座を降りる際には地元の方から花束が渡されました。会場で花束贈呈というのは当寄席初の慶事です。
     もう一つの原因は、笑福亭三喬改め七代目・松喬師匠。終演後サインを求めるお客様もおられました。先代名人は全国にファンがいらっしゃいましたが、当代も全国各地でご活躍のよう。打ち上げでは、春若師匠、阿か枝師匠と、新幹線の席の取り方で盛り上がってはりました。鬼籍に入られた同輩・後輩のことや慰問に行かれる刑務所のこと、大相撲の不祥事などで話がやや暗くなりかけると「えらい話が暗ろなりましたなあ、もっと明るい話題を」と気を使われる意外と繊細な師匠でもありました。
     番組は、春若師匠で中入り後、阿か枝師匠の軽妙な「がまの油」に続いて、大トリの松喬師匠が「へっつい幽霊」をたっぷり、お客様にはいつもながらニコニコと満足のお顔で帰っていただきました。世話人としても大満足の一夜でした。>

◇第86回「西成寄席」                   (平成29年8月25日)

  •  と き   平成29年8月25日(金) 午後6時30分開演 (30分前開場)
  • ところ   西成区民センター 2階会議室 (大阪市西成区岸里1-1-50)                    
  • 入場料
    1,300円
    (65歳以上・身体障がい者手帳等をお持ちの方は800円)
  • 番組    「宿屋町」    月亭秀都
           「商売根問」   森乃石松

           「夏の医者」   桂春若
             仲入り
           「天災」     桂よね吉
           「船徳」     笑福亭岐代松                                             <お陰様で今回も前回同様65歳未満の一般のお客様が昨年度よりやや多くご来場いただきました。開演時間を僅か15分ですが遅くした効果かと喜んでいます。
     毎回の出演者を、20年前の名鑑でチェックするのが習慣になっています。その名鑑に本日の出演者のうちお二人が載っておらずページ隅にメモ書きすることにも感慨を覚えますが、春若師匠にはこれまで1回の休場もなく全回出演いただいていることにも今更ながら感嘆します。本日も師匠の軽妙な「夏の医者」で中入り。
     名鑑には4番手のよね吉師の入門間もない頃の写真が(まもなく吉朝師匠の13回忌とのこと)。イケメンが多い吉朝師匠一門の中でも誠に初々しい細面の男前。登場されたお姿は、見る影も…いや大変貫禄のついた大御所の風格。演じられた「天災」はやはり耳慣れた「便所にはまる…紅羅坊名丸」先生の出てくるのとは一味違う吉朝師匠流の「天災」(心学者の名前は堀定勘兵衛?)で懐かしくも新鮮でした。
     トリの岐代松師匠は、20年前の写真とあまり変わらない面立ち。ご自身で舞台を大阪・神崎川に変えた「船徳」を熱演途中、突然お客様のケイタイが鳴り出し、それがなかなか止まらない。ようやく止まったかと思ったらまた鳴り出す。高齢のその女性もうろたえておられましたが、我々スタッフも気が気でなかったところ、岐代松師匠は少しも騒がず、その着メロ音が「川の流れのように」だったのをとらまえて笑わせたり、噺の流れは渦巻きはしましたが完全には途絶えず、雰囲気を保ったままうまく急場をしのいでいただきました。全86回、430席の中でも記憶に残る1席になること間違いなし。後の打ち上げでも格好の肴となりました。>

      

◇口上(第85回「西成寄席」)

お運びありがとうございます。

聞くところによりますと、なんでも東京都立の高校の約6割が髪を染めたりパーマかけていないかを調べるために、生徒から幼児期の写真などを添付した「地毛証明書」なるものを提出させているのだそうです。「では、そちらも出したらどうですか」という声が生徒側から出るでしょう、大阪なら。

さて、これを書いておりますのが連休さなかの5月6日でございまして、ニュースはフランスと韓国の大統領選挙でもちきりでございます。それから北朝鮮との軍事的な緊張ですね。
その北朝鮮関連のニュースで、先日、「日本もまだまだ広いなあ」とあらためて思う出来事がございました。

ご記憶かと思いますが、3月に北朝鮮が日本海に向けてミサイル4発を発射しまして、それが秋田県男鹿半島の沖合300キロの海に落ちたんやそうで、物騒な話しですが、時あたかも米韓軍事演習の真っ最中で、これをけん制するために発射したのではないか、とか言われておりました。
このニュースをテレビでやってるのを私見てたんですが。おじいさんがインタビューを受けて何か大きな声でしゃべってまして、画面の下に字幕が出てて、

「けしからん!何ということをする!」
とか言うてます。
私「わぁ、韓国の人もえらい怒ってはるねや」思てたら、マイクもってたリポーターが、
「以上、秋田県男鹿半島から中継でした」
私、びっくりしてあとの解説が耳に入ってきませんでした。
( 山 )

◇第85回「西成寄席」                   (平成29年5月25日)

第85回

  •  と き   平成29年5月25日(金) 午後6時30分開演 (45分前開場)
  • ところ   西成区民センター 2階会議室        
  • 入場料
    1,300円(65歳以上・身体障がい者手帳等をお持ちの方は800円)
  • 番組
    「いらち俥」      桂 弥っこ
    「田楽喰い」     笑福亭生寿
    「鹿政談」     桂春若
    (仲入り)
    「盗人の仲裁」  桂 文三
    「幸助餅」      桂 団朝

<今回から、お勤めの方も少しお越しやすいようにと、開演時刻を15分遅らせ午後6時30分としました。終演時刻は、これまでも目標の午後8時30分より15分以内ほどには早くなったり遅くなったりしていましたので演者さんの側で十分調整可能と高を括っていましたら、師匠方皆さん熱演で、もともとの15分遅らせプラス10分遅くなり、9時がリミットの会場の撤去・原状回復に慌てふためくことになりました。
 前々回に、追い出したはずのハエが1匹演者をいらいに舞い戻るという珍事がありました。実は今回も設営中にハエが舞い込み追い出したものの心配していましたら、それはなかったのですが、出演済みの若手落語家さんの名ビラが名ビラ立てから落ち、春若師匠の口演を邪魔するという、これまた初の珍事がありました。運営上の細かな注意の種は尽きないです。
 お陰様で、高齢者でないお客様も少し増え、まだまだ期待をもって運営に当たります。
 公演の方は、あのおかしくも絶妙な食事シーンだけでも値打ちのある笑顔いっぱいの文三師匠の滑稽話、演劇にも出られるとのこと、相撲通で、西成の呑み処通であることも知りましたトリの団朝師匠の迫力ある人情話へと盛り上がり、後の打ち上げもまた時間超過で終えることとなりました。>

◇第84回「西成寄席」                  (平成29年2月24日)

第84回

  •  と き   平成29年2月24日(金) 午後6時15分開演 (30分前開場)
  • ところ   西成区民センター 2階会議室        
  • 入場料
    1,300円(65歳以上・身体障がい者手帳等をお持ちの方は800円)
  • 番組
    「桃太郎」      月亭天使
    「代脈」         桂 鯛蔵
    「井戸の茶碗」  桂春若
    (仲入り)
    「ふぐ鍋」       林家染左
    「親子茶屋」     桂 文也 

    今回は、初登場の桂文也師匠が故・5代目文枝師匠直伝の「親子茶屋」を、当寄席としては第21回以来15年ぶりに掛けていただきました。以前のは桂米輔師匠による故・米朝師匠直伝のもの。こうした上方の情緒・雰囲気たっぷりのお噺が、「はめもの」の妙を含めて、ぜひ次の世代にきっちりと受け継がれていかれるようにと切に願います。第21回に染丸師匠の内弟子修行を終えてすぐのころ一番手で出られた林家染左師匠が今回四番手で登場。期待の星のお一人と思います。
     後の打ち上げには染左師匠から落語を習っているアマチュアが3人いて、皆はじめは先生を前にやや緊張の面持ち。春若師匠や文也師匠の歯に衣を着せない興味津々のぶっちゃけ話にすぐに盛り上がり、落語も打ち上げもやっぱり一期一会、その場その時限りのライブがええです。>

◇口上(第83回「西成寄席」)

お運びありがとうございます。

  二ヶ月ほど前に、わたくしのガラケー(ガラパゴス携帯)がスマホ(スマートフォン)に替わりまして、いまだにイライラと画面を強打する日々を過ごしております。

 もともと、娘は早々にスマホに乗り換え、私と妻が古い携帯電話でした。契約会社はいずれも「au」だったのですが、他に家のパソコンと電話は「NTT」、一緒に料金を引き落としている妻の父親のiパッドが「ソフトバンク」という、いわば多国籍軍のような状況であったところが、妻がどこかで「まとめたら安い」という情報を入手し、以来統一軍で戦線を開くべく準備を始め、9月に我が家と義父の契約会社一本化を宣言しました。

 9月中旬の休日に「auショップ」に連れて行かれ、妻は娘と同じ機種を購入、わたくしは割引率の大きい機種があてがわれました。
 翌日、メールをしようと操作していると、前の携帯からコピーして貰った、いわゆる「電話帳」のデータが消えてしまいました。もちろん、何故そうなったかは分かりません。仕方がないので、再び古い携帯電話を持ってショップに行くと、「全部消えてしまう事ってあまり無いんですけどねえ」「しょっちゅう消えられてたまるか・・・」という言葉を飲み込んで帰りましたが、しばらくはメールをするのがためらわれました。

    わたしは、携帯電話では「通話」「メール」しかしておらず、「ライン」などは不要のものと思っておりましたが、同年代の同僚でわたしより一年以上早くスマホデビューした奴が「任せろ」というので任すと、「電話帳」に載っているひと全員に「ラインやろうゼ」という通知を一斉送信したようで、「スタンプ」というんですか、マンガのような絵が、以前仕事でもめて大ゲンカをして数年来絶縁していた人から送られてきて、ちょっと複雑な心境になったりしました。

〝 メルアドの 変更から変更まで 便りなし 〟           ( 山 )

◇第83回「西成寄席」                 (平成28年11月25日)

 

  • と き   平成28年11月25日(金) 午後6時15分開演 (30分前開場)
  • ところ   西成区民センター 2階会議室 (大阪市西成区岸里1-1-50)
  • 入場料  1,300円(65歳以上・身体障がい者手帳等をお持ちの方は800円)
  • 番組
    「時うどん」      桂弥太郎
    「そこつ使者」   桂 そうば
    「有馬小便」    桂春若
    (仲入り)
    「お玉牛」      桂福矢
    「代書」        桂南天

    <期せずしてとのこと-今回は2番手の「そこつ使者」≒「月並丁稚」から「有馬小便」「お玉牛」「代書」と故・3代目桂春団治師匠に関係のあるネタが並びました。3代目の十八番は18もなかった(春若師匠のまくら)そうですが、後の打ち上げで伺ったところでは、実はその厳選された演目のそれぞれにその日のお客さんに合わせる5つの演じ方があったとのこと。ああなるほど、それで同じネタを何回聞いても面白く、いつも会場を沸かすことができたのだと納得がいきました。トリの南天師匠によれば、3代目によるおさまった風な代書屋の十分に間を取った反応はとても真似ができないとのこと。南天師匠が一部取り入れた故・桂枝雀師匠の代書屋―「生年月日を言うてください」「はい、せいねんがっぴ!」のくだりの誕生秘話も、切っ掛けとなった春団治・枝雀両師匠の会話に居合わせた春若師匠から伺いました。落語好きの素人にとってはまことに興味津々の一夜でした。
        なお今回は、朝日新聞の連載記事「まち寄席巡り」(10月20日朝刊およびデジタル版)に紹介・告知いただいたおかげでしょう、久し振りに椅子を急ぎ追加して対応する大盛況となりました。>